日本国際健康気圧協会トップページ

ご挨拶協会の概要会員資格組織と役割気圧機器について認定商品ご紹介
気圧機器について

統合医療として期待される加圧空気ヘルスケアーチェンバー
西井易穂 若汐豊 
日本国際健康気圧協会

はじめに
 スポーツ業界、エステ業界に1.3気圧空気圧を用いたヘルスケアーチェンバーが急速に普及し始めました。人体に1.3気圧の加圧をかけるということは大変な環境変化に人体を晒すということです。過去、気象現象として経験されている健康気圧は高々3%程度の健康気圧で、飛行機が降下するときには急激な10%ほどの気圧上昇があり、しばしば耳痛に悩まされます。台風で、記録されている低気圧は最高で10%程度の低下、通常は5-6%程度の低下に過ぎません。それでも、リューマチ患者とか骨折を有している患者では台風が接近する前から異常を訴えます。台風のエネルギーの威力は皆さんが実感しておられます。このことを考えますと、人を1.3気圧の環境におくことは大変な状況下で処置しているということが理解していただけると思います。事実、いろいろな作用があることが明らかになりつつあります。
 厚生労働省が治療として認可しているのは、2-6気圧の鋼鉄製チェンバー内で100%酸素を送風することに対してであって、救急医療の世界から始まったものです。これをHBOT(Hyperbaric oxygen therapy)と呼んでいます。それより緩和な条件で治療する場合はm‐HBOT(mild Hyperbaric oxygen therapy)と呼ばれています。最近m‐HBOTでいろいろな疾患の治療が効果的に達成されることが実証されるようになってきました。この数年前から酸素を供給しな くとも、加圧空気で充分効果が見られる可能性を示唆する研究成果が報告され始めました。 このような状況下で日本でも協会を設立し、1.3気圧空気圧ヘルスケアーチェンバーの正しい使用を推進することによって人々の健康増進に役立てるべきことが試行されました。協会として、1.3気圧加圧空気チェンバーをHCC(Health Care Chamber)と呼称し、その使用目的は「細胞機能を正常に維持してATP産生を必要量補給」する用具と位置付けることにいたしました。近年、地球進化、環境汚染の上から空気中の酸素が急速に減少していることが、カリフォルニア大学から報告されています。21世紀は意図的に酸素供給を増して、必要量のATP産生を確保することが必要です。その意味でHCCによる処置を統合医療の位置づけで捕らえて科学的エビデンスを確保することが、肝要です。
 このような処置を行うことをHBA(Hyperbaric air treatment)と総称し、一般的に1.3気圧以下でHCCを健康用具として用いる場合にはHBAC(Hyperbaric air care)と呼び、研究者、医師が研究、リハビリテーション、治療を目的として科学的エビデンスを得ることに2気圧以下でHCCを使用する場合はHBAT(Hyperbaric air therapy)と呼称することを協会として提案いたします。本来、厚生労働省直轄であるべき領域と協会が関与すべき領域を分類して、概念的に理解していただくため、これらのことを表1にまとめました。この表は現段階における一つの提案に過ぎません。 学会、行政との議論と実証を重ねて、将来確定されるべき作業仮説です。


表1 高圧チェンバーの分類・機能と役割

協会管轄領域 加圧空気処置(HBA)
1.健康用具としての加圧空気ヘルスケアーチェンバー Health Care Chamber【HCC】
略称分類 名称 使用圧力(2) 適用範囲 操作資格
HBAC Hyperbaric air care
加圧空気ヘルスケアー
4psi以下
(1.0〜1.3)
大衆汎用健康用具
スポーツ選手トレーニング、
フィットネスクラブ、エステなど。
HCC操作有資格者(3)

2.研究課題としての準医療器具
HBAT
(1)
Hyperbaric air therapy
加圧空気治療
1.05〜2 諸種医療ならびにリハビリ用具としての模索研究
(例:循環器系疾患、骨代謝疾患、骨折、創傷、褥瘡、皮膚科疾患、眼科疾患、癌、免疫疾患など)
スポーツ医学研究
医師
国家認定資格保有者
医学領域研究者
(博士)
スポーツ医学研究
従事者

厚生労働省直轄管理
HBOT Hyperbaric oxygen
therapy foremergency
救急用高圧酸素治療
2〜6 高山病、潜水病、一酸化炭素中毒など 救急医療従事者
(含救急救命士)
医師
mHBOT mild hyperbaric
oxygen therapy
弱高圧酸素治療
1.75±0.5 救急医療への緊急対応・輸送並びにそれに準ずる行為・医療研究ならびに特殊医療 救急医療従事者
(含救急救命士)
医師

(1)将来、医療用具認定の方向
(2)研究・検討を重ね科学的エビデンスに基づいて流動的に対応決定する。
(3)協会主催並びに指導講習を受け、認定を受けた資格者。但し、認定制度確立まで、
   2年間の暫定期間を設け、届出制による許可を採用する。
 *オアシスO2、Vitaris 320、Respiro 270、Solace210 など
ページトップ




1.加圧空気チェンバーへの期待
 HCCの効用が期待される領域が示唆されている論文を紹介いたします。2001年Colletら1)がLancetに報告した論文によると、脳性小児麻痺患者でプロスペクティブ無作為二重盲験試験において100%酸素、1.75気圧のHBOTと1.3気圧HBAを一回1時間2ヶ月間で40回実施したところ、両群に有意差はなく、ほかの治療を行った場合に比較して15%ほどの改善効果が、特に肉眼的運動機能の改善が認められたとするものです。すなわち、脳性小児麻痺患者の治療に関して健康気圧酸素治療は加圧空気処置に比べて優位性を持たないことを示しています。これは研究所の名前をとって、McGill Studyと呼ばれているほど予想外の結果でした。 また、2003年にはRusyniakら2)はパイロットスタディとしながらも、急性脳卒中患者に対して、1.14絶対気圧処置が100%酸素、2.5気圧治療より有用性が高かったとするプロスペクティブ無作為二重盲験試験結果をStrokeに報告しました。NIHSSとかmodified Rankin Scale、 Barthel Index, Glasgow Outcome Scoreなどの何種類かの脳卒中機能スケールを評価する方法を用いて、HBATとHBOTの効果を比較した結果、90日後の評価で前者では80%前後の改善効果が得られたのに対して、後者では30から50%程度の改善しか得られなかったとする結果です。その結果の抜粋を表2に紹介しました。NIHSS(National institutes of health stroke scale)というのは脳卒中重症度スケールとして、意識障害、上、下肢運動機能障害、視野、顔面麻痺、感覚、言語障害などを点数化して評価する方法です。参考のためにModified Rankin Scoreを表3に紹介しました。このほかAndersonら3),Nighoghossianら4)のパイロットスタディでもHBATが脳卒中患者に有効であることが報告されています。これらの結果は、酸素供給が必要な脳機能障害にHBAが広く有効なことを示唆しています。これらの成績を勘案するとき、介護老人、認知症にHBACを実施することに大いなる意味があると信じます。


表2 脳卒中患者におけるHBO処置の改善効果
(プロスペクティブ無作為二重盲検試験90日後の結果:Rasniak2003より抜粋)

  HBA(n=11)
n  %
HBO(n=16)
n  %
Odds比 (90%CI)    P
Barthel Index 9  81.8 8  50 0.2  (0.05、1.02)  0.12
Modified Rankin Score 9  81.8 5  31.3 0.10  (0.02、0.48)  0.02
Glasgow Outcome Score 10  90.9 6  37.5 0.6  (0.01、0.41)  0.01
NIHSS 8  80.0 5  31.3 0.11  (0.02、0.55)  0.04

NIHSS=National Institute of Health Stroke Scale
HBA:1.14 ATA空気
HBO:2.5ATA、100%O2


表3 Modified Rankin scale

0 全く症状なし
1 神経症状はあるが問題となる障害はない:いつもの日常生活動作が可能
2 軽度障害:病前の日常生活動作のすべてを行うことはできないが、介助なしに身の回りのことはできる
3 中等度障害:何らかの介助を必要とするが、独歩は可能
4 やや重度の障害:歩行や日常生活に何らかの介助を必要とする
5 重度障害:寝たきりで失禁あり、常に介護と監視が必要


 酸素供給が大きな意味を持つ領域としては筋肉疲労を伴うスポーツ業界が考えられます。1933年Jamesら5)はスコットランドのプロフットボールチームにHBOTを行い、障害によって失われる罹病期間を70%短縮したと報告したのに始まり、スポーツ選手の障害改善、合宿強化を目的にm-HBOが試みられるようになりました。日本でも最近、スポーツ医学、糖尿病に対するHCCの使用経験の報告がなされました。池田ら6)は下肢の肉離れを発症したサッカー選手にHCCによるHBATを施したところ、受傷から復帰までの期間が非処置群では2.9±1.4週であったのに対して、HBAT群では1.9±0.5週と有意(p<0.05)に有効であったと報告しました。
 創傷部位は酸素不足の状態にあり、アチドーシスを招き、乳酸の蓄積が生じています。その治療には酸素供給が優れた効果をしめすことが知られています。
 臨床的効果としてはいろいろな創傷治癒の局面がありますが、糖尿病の壊疽については、HBOTが有効であることに関して多くの報告があります。第64回ACAM(International Educational Conference on Complementary, Altenative and Integrative Medicine)においてP.Harch7)が過去の論文をまとめて紹介していましたが、それによるとOrionは糖尿病患者の壊疽の改善度がコントロールの67%に対して、HBOTで96%であり、下肢切断率は33%から5%に低下したという。重症糖尿病患者で足部の壊疽が併発し、足部切断術を施す必要がしばしばみられますが、このOrionの報告以外にも5人以上の臨床報告でHBOTが有効であったことを紹介していました。最近、順天堂河盛内科の小宮、内野ら8)はHCCによるHBATを壊疽を伴う糖尿病患者に実施し、好成績を得たことを第43回日本糖尿病学会関東甲信越地方会で報告しました。患者は53歳女性、2型糖尿病で足にむくみを伴う壊疽、出血が見られ、歩行困難、感染症、貧血があり、週3回3週間 1.3HBAT(60)を施行したところ、壊疽症状の改善が顕著で、平熱になり、白血球数、CRPともに正常化して菌叢の著しい低下を確認したと報告しました。一例のHBAT報告にすぎないが、過去のHBOTの実績を考えるとき、信頼性の高い臨床経験と判断されます。寝たきり老人とか病人などにおける褥瘡、ケアーにHBACが有用であろうことを強く示唆しています。
 糖尿病患者における創傷治癒効果の基本的背景はHBOTで言われているように感染抑制、コラーゲン合成、血管新生、上皮形成の促進にあると考えられます。動脈血液中酸素分圧より病巣部における酸素充満度(oxygen tension)、つまり病巣部における酸素の拡散効率に依存します。このような場合、圧上昇による拡散性酸素供給はもとよりマクロファージの活性化に伴うVEGF(vascular endotherial growth factor)合成を介した血管新生(angiogenesis)の促進、病巣部に集積してきたマクロファージの活性化によるプロコラーゲンのプロリン、リジン水酸化酵素誘導に伴うコラーゲン合成の促進が考えられ、酸素供給が上皮形成に重要な役割を担っていることがBoulloghら9)、Winterら10)によって報告されています。これらはいずれも最初の酸素刺激によりそれぞれのカスケードが作動することによって起こる時間を要する反応です。酸素送風付加でなく、空気圧による酸素供給で充分であるということを推奨しているIgnacioがHBAの繰り返し実施が重要であると主張しているのはこのことを意味していると思われます。
 そのほか、癌と免疫、AIDS, 視力、重金属毒性、皮膚疾患、老化予防など多方面にわたる疾患への可能性を秘めている用具であると推測されます。
ページトップ




2.酸素供給機序に関する考察
 肺胞から取り入れた空気中酸素が動脈血から細胞膜を通り、ミトコンドリアに供給される酸素の存在様式と供給経路は2種類あります。ヘモグロビン結合型酸素によるものと溶解型酸素によるものです。
 動脈血液中ヘモグロビンは1気圧下で98%飽和状態にあり、気圧を上げて酸素分圧が上昇しても、ヘモグロビン量が増加するわけではなく、血液中に存在するヘモグロビン量によって規定されています。増加するのは溶解型酸素です。1.3気圧にすると溶解型酸素は45%ほど増加いたします。動脈血酸素分圧は1気圧呼吸下で約90〜100mmHgですが、ミトコンドリアでの酸化的燐酸化反応は0.5〜3mmHgで充分と言われており、酸素50%酸化に要する酸素分圧は0.1mmHg以下とも言われています。動脈血における酸素分圧とミトコンドリアにおける酸素消費の間には分圧でみて、1000倍の余裕があることになります。最近、組織微小血管あるいはそれに近接した細胞の酸素分圧が測定可能になり、毛細血管と細胞膜周辺の酸素分圧は2〜5mmHgと動脈血に比べて驚くほど低いレベルに低下することがGayeskiら11)によって報告されています。高橋12)は毛細血管酸素分圧の数mmHg程度の変動がミトコンドリアへの酸素輸送にとって大きな意味をもつことが充分予想できると述べ、HBOによるわずかな組織酸素レベルの上昇がミトコンドリア酸素代謝を大きく増加させる可能性があると結論しています。これらのことを考慮するとき、動脈血酸素の含量が1.3気圧空気加圧で0.75%増加するということは大きな意味を持ってきます。それはミトコンドリアにおけるATP産生において溶解型酸素に依存する割合が大きくなっているということです。
 動脈血中ヘモグロビン結合型酸素は毛細血管から細胞膜を通り、酸素利用によるATP産生の場であるミトコンドリアに輸送される間に急激な減衰が見られるのに対し、溶解型酸素は単純な拡散性輸送で動脈血からミトコンドリアまで運ばれる過程での減衰は微小であり1.3気圧で肺胞から取り入れた45%の増加はそれに近い酸素含量でミトコンドリアに供給されることになります。酸素が使用される場ではヘモグロビン結合型酸素量と溶解型酸素量の供給の効率が異なり、1.3気圧空気加圧で、効率よく供給されているということです。理解を助けるために図1をご参照ください。
 動脈血液中酸素分圧は加圧条件を中止したとき、すみやかに低下しますが、加圧により上昇した組織内酸素分圧は加圧を中止しても長時間持続することが知られています。諸外国の論文を精読するときHBOTによる諸種疾患の治療効果についてm-HBOでのoxygen tensionすなわち細胞内酸素分圧の持続的維持によるミトコンドリアへの継続的酸素供給力の方が動脈血液中のtransientな酸素分圧上昇より重要な意味を持っていると主張しています。
 IgnacioはHBATを繰り返し行うことにより動脈壁が薄くなり、弾力性が上昇し、血管壁からの拡散性酸素供給効率が増すとともに、毛細血管の新生が増加することによって、ヘモグロビン結合型酸素のミトコンドリアへの供給効率も増すと主張しています。老人では血管壁が厚くなり、弾力性が著しく低下し拡散性酸素供給量が低下していますから、HBAT,HBACは老人にとって有用な処置であると考えられます。酸素供給能力が改善されれば、行動力、思考力、判断力が回復することが期待できます。


図1 吸気により取り入れられた酸素のミトコンドリアへの供給経路

*注
1気圧下でヘモグロビンO2はほぼ100%近く飽和されている。気圧が上昇して酸素分圧が高くなっても、ヘモグロビンO2はさほどに増加しないと考えられる。増加するのは溶解型酸素です。動脈血中、溶解型酸素は動脈壁からも拡散により細胞に供給される。末梢動脈血から供給されるヘモグロビン酸素は解離恒数に従って溶解型酸素と平衡状態にあり、ミトコンドリアにはその解離恒数に依存した酸素供給が行われます。従って1.3ATAの場合増加した溶解型酸素による酸素供給は図示したごとく効率の良いものです。

ページトップ



3.副作用
 HBOTでは当然酸素毒性のことには充分な注意が必要です。HBOTにより酸素供給を増すということは過酸化脂質を増加させるのではということが、疑問として起こりますが、このことに関しては研究者の実験条件の違いにより、さまざまなデータが報告されていて、現段階で系統立てて論じ得る段階にありません。概念的に言えば、酸素供給が増すことにより、一旦過酸化脂質は増すが、ただちにSOD,ペルオキシダーゼ、グルタチオン還元酵素などが誘導され、それら酵素たんぱく質の半減期が過酸化脂質の血液中半減期より長いため、結果的に条件によって、過酸化脂質を減少させることが考えられます。これは今後の研究課題として重要なものでしょう。
 1.1気圧を超えるころから、しばしば耳に異常な痛みを訴える人がかなりの頻度でいます。鼓膜の破裂に充分気をつけるべきです。これらに対しては耳抜きを指導することが必要で、耳抜きができず、激痛を伴う人ではその処置を断念すべきでしょう。今のところ効果的な解決方法は見出されていません。極度な閉所恐怖症の人も使用を避けるべきでしょう。自閉症患児では母親と一緒に入ることで訓練することにより、一人でも入れるようになります。副作用としての酸素毒性は過去の論文からm-HBOでは1.5気圧以上で散発的に見られ、1.75気圧を超えるとその頻度が増すことが確認されています。IIgnacioは2005年日本でおこなわれたセミナーでHBOTによる副作用を表4のようにまとめていました。HBATでは今までのところ副作用はまったく認められず、爆発の危険性もなく安全に使用可能です。


表4 HBOTの副作用

鼻炎 血液凝集
静脈洞炎、副鼻腔炎 痙攣症
気管支炎 硬縮
休養不全、安静不全 急性発作、癲癇発作
疲労 癲癇状態

Dr.Ignacioの説明によると肺機能、脳機能、筋肉、糖尿病、皮膚疾患、感染などの改善に「1.3 ATA with air」で充分で、大量の酸素を供給する必要はなく、むしろ過剰酸素の供給は副作用が危惧されると主張していました。彼が示した副作用は上表のとおりです。期待される効果の延長線上にある反応が、反転して表面化された副作用が発現してくるようです。

ページトップ



さいごに
 HBOT,m-HBOTに関する治療効果に関する報告は多方面にわたり時代とともに加圧および酸素供給条件が緩和されても有効との報告が増加してきました。酸素毒性を回避しえるm-HBOTの報告が増加し、最近では酸素を積極的に供給する必要がなく加圧空気で充分効果を認めうることが明らかにされつつあります。日本でもすでに、2報の報告があることを紹介いたしました。これから更に科学的エビデンスを重ね、代替医療の新たな手段としてHBACの位置づけを確立すべきでしょう。過去の諸外国の実績を評価するとき、現段階では1.05気圧から1.3気圧の間に日本における加圧空気所要量が存在すると推測されますが、今後の科学的エビデンスを評価して決定すべきことでしょう。また、その所要量は時代、環境変化とともに変化していくであろうことも予測され、たゆまぬ研究が必要と考えられます。現段階では1.3気圧の空気加圧を上限として、耳痛を感じる加圧条件が生体に影響を及ぼす一つの目安と考え、その前後の加圧条件を所要量として選択することも一つの選択肢です。一日も早く、健康用具としてのHBACの所要量が設定されることを望む次第です。環境汚染が進み、ストレスが増し、酸素供給量が高まってきた現代では人為的な加圧空気による酸素供給が必要です。健康を正常に維持する上でHBACは必須で、筆者としては介護老人の自立、QOL向上、認知症患者、糖尿病患者へのHBAT,HBACの効果について焦点を当てて、科学的エビデンスを得ることに努力して行きたいと考えています。
 そのテーマが未知の世界で魅力的であるほど、安易な過剰宣伝に基づく乱用によって、HCCの使用を社会的に不可能にしないよう皆さんで心がけなければならないと思います。
ページトップ



文献
  1. Collet J.p et al:Undersea Hyperb Med 26 235-242 1999
  2. Rusniak D.E et al:Stroke 34 571-574
  3. Anderson D.C et al:Stroke 22 1137-1142 1991
  4. Nighoghsossan N et al:Stroke 26 1369-1372 1995
  5. James P.B. et al : Physioltherapy 79 571-572 1993
  6. 池田 浩ほか:整形・災害外科 48955‐958 2005
  7. Harch P et al:Proceeding of the 4th International Symposium on Hyperbaric Oxygenation in CP and the Brain-injured Child 37-40 2004
  8. 小宮幸次ほか:第43回に本糖尿病学会関東甲信越地方界2006
  9. Buillough W et al:Nature 167 488 1957
  10. Winter G et al : Proceedings of the forth intenational congress on hyperbaric medicine 555 1990 (eds T. Iwa and J.Wada Tokyou Igaku Shoin)
ページトップ